「Clubcraft」活用事例 校章編「名古屋経済大学市邨高等学校」 高校生が中学生にワークショップを実施!
「Clubcraft」活用事例を紹介する本コラム。
今回は名古屋経済大学市邨高等学校(愛知県)での活用事例を紹介していきたい。
同校が活用した教材は「Clubcraft校章編(以下、校章編)」。
同校のeスポーツ部が部活動の教材として活用したのだが、その活用方法がNASEF JAPANでは想定していなかった大変素晴らしい活用方法だった。
今回の取り組みとしては、「校章編」を活用して「高校生が中学生を対象にワークショップを実施する」という内容に。
同校は中高一貫校で、eスポーツ部には中学1年生から高校3年生まで計33名が在籍(当時)している。部の課題のひとつとして、高校生対象のeスポーツ大会はあるものの、中学生対象のeスポーツ大会がないため、目標設定の観点で課題があったという。
その改善策として「中学生はマインクラフトカップの出場を目指す」が掲げられ、大会出場に向けた準備が進められていた。
そこに白羽の矢が立ったのが「Clubcraft」。単にマインクラフトをプレイするのではなく、学習効果も高めながら、学校への愛着をより深く持って欲しいとの思いから「校章編」を指定し、高校生が中学生に向けてワークショップを実施する運びとなった。
eスポーツ部には中学生(当時)は9名在籍しており、全3グループに分けて、「校章編」を調査・制作・発表の3STEPを実施。高校生はあくまでマインクラフト制作のサポートに回っていたとのこと。
<Aチームの発表>
- 調査テーマ:「校章から学校を理解する」
まずは校章に記載されている言葉の意味の調査を開始
記載されている「刃」「忠」「慈」は校訓三則。
校章には「中」と書かれているが「心」は校章全体の下に記載されていることがわかった。
また、この言葉は人として社会生活を営むうえで大切な心の在り方を示したものであり、
学校の創設者「市邨よしき」先生の教育理念が現れている。ということも調査で判明したポイントだ。
- 発表
ブロックを埋める箇所が苦労したポイントのひとつ。
そのためコマンドと手作業を駆使してチームで協力し制作することができた。
eスポーツ(ゲーム)をきっかけに校章で新しいことを知ることができた、と発表を締めくくった。
<Bチームの発表>
- 調査テーマ:「校章の形を調査」
参考画像を入手し、校章の形、文字の配置とデザイン面にフォーカスし調査し制作へ進んだことを発表。
- 発表
校章の扇型をマインクラフトで表現すると上辺がデコボコになることに気が付き、
単に修正をするのではなく、このデコボコを生かして校章の上をアスレチックにするアイディアを表現。また校章だけではなく、校舎も合わせて制作した。
発表時には調査結果と制作物、発表内容など全てを動画で実施
「校章編」での活動時間の約8割を動画制作に費やしたとのこと。
発表の最後には、制作物を「TNTで爆発させる」という最高のオチを見せてくれた。
<Cチームの発表>
補足:校章を制作したワールドを保持していたチームメンバーのクラスが
学級閉鎖により参加することができず、ワールド紹介はイメージ図のみでの発表になった。
- 調査テーマ:「校章の色」
校章の色にフォーカスして調査。
制服と同じえんじ色であることがわかり、
マインクラフト上で近しいブロックを調査し、制作を開始した。
- 発表扇方の中心角に沿うように正確に制作。
制作はiPadで行なっていたが操作が困難であった。
またブロックを埋める作業に時間がかかるため、コマンドを使用。
制作が困難な箇所は他チームへも協力を仰ぎ、完成することができた。
「校章編」を通じて仲間との絆を深めることができたと発表を締めくくった。
いずれのグループも、調査テーマに独自性があり各種調査で判明したことを上手くマインクラフト制作に取り入れていた。そして、その制作物をどのように発表するか、について練り込んでいたのが印象的だった
実際に今回のワークショップを通しての感想を、eスポーツ部員(高校生)にインタビュー。
●eスポーツ部:部員(高校生)
中学生へ制作のサポートをするのは大変だった。どうしてもTNT爆弾で遊んでしまったりと制作に時間がかかってしまった。
NASEF JAPANの方々が発表に来ることを中学生に伝えてからは真剣に取り組み始めたので安心した。
発表については、高校生の私達よりも良い発表をしていたと思うので、「Clubcraft」を活用したワークショップを定期的に実施しようと思う。次回は制作しがいがある既存の建築物などをテーマで実施しようと思う。
と、課題はあったものの、「Clubcraft」を活用したワークショップの手ごたえを感じているようだった。目的のマインクラフトカップへの出場とその結果についても同校の出場とその結果についてもNASEF JAPANとしては引き続き追っていきたいと思う。
●Topic
ワークショップを実施した高校生もオンラインで参加。
eスポーツ部全員で「校章編」に取り組んだ