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高校生による高校生のためのVALORANT大会『CROSS-E』。主催・企画・運営・出場者 すべてが高校生

◇ eスポーツで地元を盛り上げよう!優勝賞品は地元商店街で使える商品券。

 

 

2023年3月19日(日)、前橋中央通り商店街(群馬県前橋市)にて、eスポーツイベント『CROSS-E VALORANT』(後援:NASEF JPAPAN 読み:ナセフジャパン 以降ナセフ)が行なわれ、多くの観客で賑わいました。

主催は前橋高校eスポーツ研究班の5名。授業の一環で探究学習を行なっており、本イベントは昨年10月ごろから本格始動。企画から自分たちでたて、当日の運営体制や進行、出場校との連携、スポンサー集め、フライヤー制作など、大会を運営するうえで必要なことのほぼすべてを自分たちで行ないました。また、群馬県庁のeスポーツ・新コンテンツ創出課に協力を依頼。地方創生という趣旨に賛同いただいた同課より、ゲーミングPCや観戦用モニターなど機材の貸し出しの提供を受けることに成功。多くの人たちを巻き込んだ一大イベントとなりました。

 

会場となった昭和30年代から続くこの商店街は、創業 100 年を超える店もありレトロな雰囲気を感じられる一方、客数が年々減少しています。イベントを行ない、まず会場に来てもらう、その場所の良さを知ってもらう、そこから地方再生が始まるという高校生の作戦です。

また、出場者にも大会当日だけでなく、イベント後にも来てもらうことを考え、優勝賞品には商店街で使用可能な商品券を採用。

果たして、商店街は活気を取り戻し、地方活性化の第一歩を踏み出せたのでしょうか?

 

 

『VALORANT』はキャラクター要素と競技性を備えた5v5の対戦型タクティカルFPS

 

本イベントは、『前橋市内の同じ高校に通う生徒5人1組のチームを編成する』ことが参加の条件。ゲームタイトルは大人気の『VALORANT』。3月12日(日)に行なわれたオンライン予選で勝ち上がった4校が、19日の決勝戦の会場である前橋中央通り商店街イベント広場に集結しました。

当日は午前10時よりスタート。徐々に人が集まり13時ごろにピークを迎えました。通行人が足を止め、ゲーミングPCに向かう選手や試合画面を映し出すモニターで観戦する人も徐々に増え、13時ごろには多くの観客が会場を埋めました。

決勝戦には群馬高専A、群馬高専B、市立前橋、県立前橋の4校が進出。ラウンドを奪い合う接戦が繰り広げられ、観客からも歓声が沸き、選手と観客が一体となって会場は大変盛り上がっていました。

さらに多くのeスポーツの大会で活躍するゲームキャスターの田中一朗さんが実況・解説として参加。刻一刻と変わる戦況を視覚から得る情報だけでなく、臨場感ある実況を取り入れることで通行人の興味を引き、より一層の盛り上がりに貢献していました。もちろん田中さんへのオファーもeスポーツ研究班が行ない、運営陣の努力と熱意の賜物がこうした盛り上がりを生んだのだとナセフ取材班は感じました。

 

・運営陣の思い

eスポーツ研究班に大会運営についてさまざまなお話をうかがいました。

「大会を運営するということ」

 

・目的について
大会を開催する目的は『地方活性化』です。集客に苦労している商店街に若者集めたいという商店街のみなさんの願いを聞き、『eスポーツ』の大会を思いつきました。自身らが、eスポーツが好きだというのはもちろんですが、若者からの注目度もここ数年高まっているというのが最大の理由でした。

ゲームタイトルに『VALORANT』を選んだのは、まず第一にチームで戦うゲームであること。さらに、エージェントごとに与えられたスキルを試合のなかでどのように生かすかなどのスキルセットに注目し、チームの連携力が勝利のカギとなるという点を重視しました。

 

・実際に大変だったこと

参加条件が“同じ高校の生徒でチームを組むこと”でしたが、このタイトルをプレイする人が同じ学校にいない高校生も多く、参加したくても条件に合わないという声も多く聞きました。出場者集めは大変でした。

 

大会運営の代表者でeスポーツ研究班班長の斎藤さんは、「今回、群馬県eスポーツ・新コンテンツ創出課の方々のサポートや先生方の協力もあって、自分たちが思い描いていたとおりの大会を開催することができたと思うし、班員たちとも協力し合っていい大会づくりができたと思います。今回の大会での反省点などを踏まえ、次回開催も視野に入れて活動していきたいです。」と次への意気込みも語ってくれました。

 

○イベント取材を終えて

eスポーツ研究部の企画力によって当日は目立ったトラブルもなくスムーズなスケジュール進行でした。

商店街を利用する人のなかには、「こんなに人が集まっているけどどうしたの?」と驚く人も多く、同時に活気がある商店街をみてうれしそうな表情を浮かべる地元の人々の姿も見られました。

この日だけでも間違いなく活気が戻ってきた商店街。次回開催される際は今回以上に人が集まってさらなる活性化につながっていくのではないでしょうか。

 

⇧eスポーツ研究班のメンバー。科学探求の授業の一環として、「地方活性化」への取り組みを学校全体で行なっている県立前橋高校。eスポーツやゲームが好きな同校の生徒らが集まり、eスポーツで「地方活性化」をテーマに2022年10月にプロジェクトを始動した。同時にeスポーツ研究班も発足し、メンバーは斉藤さん、狩野さん、福田さん、福本さん、会津さんの5名で、班が発足した当時は全員2年生だったそう

 

⇧やや異色の光景だが、ゲーミングPCがこれだけ並ぶと圧巻。商店街を通行する人々もこの光景を目の当たりにして興味津々だったようす

 

⇧にじさんじパワプロ甲子園などでも実況解説を担当していた田中さん

 

⇧eスポーツ研究班を務める斎藤さん。大会運営、司会のほかにこの日来ていた地元メディアやNASEFの取材にも快く対応してくれた

 

eスポーツ研究班×海外の学生たち、英語交流で互いの文化の違いを知る

 

NASEF JAPANはNASEF USと連携し、アメリカとコスタリカの高校生と前橋高校eスポーツ研究班との国際交流をサポート!eスポーツ研究班は事前に質問したい事柄をまとめ、当日に向けて英語の学習に取り組んだ。オンラインとはいえ初対面の海外の学生を前に、最初は緊張したようすだった生徒たちもすぐに打ち解け、好きなゲームにまつわる質問や、互いの文化の違いについてなどで交流を深めていた。

VAROLANTは世界的に流行っているというイメージが強いが、今回英語交流に参加してくれたアメリカとコスタリカの学生らの間ではあまり流行っていないという意外な事実も発覚した。

 

⇧英語交流直後のeスポーツ研究班の学生。とても緊張していました!と話していたが、NASEFスタッフも大絶賛の英語トーク力

 

開催日2023年3月19日(日)
イベント名CROSS-E VAROLANT
場所前橋中央通り商店街/群馬県前橋市