【活動レポート】「ちょっと先のおもしろいゲームの世界」のトークショーで平成ノブシコブシの吉村さんと、知られざるeスポーツの教育的魅力に迫る!
2021年7月3、4日に東京都竹芝エリアにて開催された、“おもしろい未来の入口!人気芸人と一緒に未来を覗いてみよう!”「ちょっと先のおもしろい未来 –CHANGE TOMORROW- 」。
NASEF JAPANは、4日のトークショー「ちょっと先のおもしろいゲームの世界」に招かれ、
統括ディレクターの内藤が登壇しました。本イベントでは、eスポーツ業界の最前線で活躍される方々やお笑い芸人の吉村 崇さん(平成ノブシコブシ)とともに、eスポーツ・ゲーム界を分かりやすく紐解き、“ちょっと先“のゲームを軸とした未来を語り合いました。
eスポーツが将来を作るきっかけに
<登壇者>
UUUM株式会社 執行役員 後藤大輔氏
東京eスポーツゲート株式会社 代表取締役 原 康雄氏
平成ノブシコブシ 吉村 崇氏
NASEF JAPAN統括ディレクター 内藤裕志
まず、登壇者がそれぞれ事業の説明を行いました。
UUUMの後藤氏は、動画クリエイターのマネジメントを手掛ける事業について解説。ゲーム実況動画をYouTube上で月1万本以上も公開しており、コロナ禍以降は一般にまでeスポーツの文化が広がっているようです。
東京eスポーツゲートの原氏は、今冬に東京タワーに日本最大規模のeスポーツ施設の立ち上げを進めています。幅広いエンタメ文化とeスポーツを融合させて、幅広い世代が楽しめる施設となると紹介しました。
NASEF JAPANを代表して参加した内藤は、まずNASEF成立の経緯について解説。高校などでeスポーツ部が増えつつある現状と、現在NASEF JAPANには100校の加盟があることを報告しました。
吉村さんは内藤の話を受けて、「最近は芸人を目指しているわけではない有名大学の学生が、『M-1グランプリ』に出場しているそうなんです。どういう意図で出場したのかと聞くと、『就職活動のときにアピールになるから』と。eスポーツも今後は『eスポーツの大会を運営していた、競技者として優秀な成績を修めた』といったことがアピールとなる時代が来るのかもしれませんね」と、お笑い芸人ならではの例えを用いて納得していました。
吉村さんの指摘のとおり、NASEF JAPANとしてクラブ活動の活性化を行う際も「何を学んだか」についてディスカッションを行います。そこでは、例えば全国大会へ向けて「チームを強くするためにこんな取り組みをした、チームのためにこんなことをした」といったことを書き出します。自分の将来のために何ができるかについて考える機会となっています。
ゲームを学びと発見の機会に
後半では、内藤が「ゲームをすることで得られるメリット」というテーマにて、本国での研究成果について解説しました。
「NASEFでは、eスポーツによって子どもたちの情操教育やコミュニケーションスキル、状況判断力などにつながるという調査・研究を進めています。これらは、今後日本でも展開していく予定です。特に昔はゲームといえば、画面に向かって一人でプレイするものでした。しかし今はオンラインを通して友人たちと一緒にプレイができ、ゲームをすることでコミュニケーションの量が増えることがわかってきています。」と話す内藤に対して、吉村さんは「実際にプレイ中も様々な国の言葉が入ってきます。我々の世代は海外とのコミュニケーションが取れなかった世代で、外国の方に道を聞かれただけでビビっちゃうんですよね(笑)。でも、下の世代はあまりそういったことを感じていないように見えて。この短い期間でコンプレックスがクリアされているのかと驚いてます」とコメントし、自身のゲームプレイの経験を踏まえて強く頷きます。
実際にNASEF JAPANで出会う学生たちも、ゲーム中は自然に英語で文字入力をして、挨拶やプレイに必要な会話を行っています。内藤はつい先日、「海外の友達とチームを作るために英語を勉強し始めた」という学生に出会ったエピソードを披露しました。すでにゲームは学び――とくに英語学習のきっかけになっています。
吉村さんは同じくお笑い芸人で、英語ができないまま米国進出した綾部さん(ピース)を引き合いに出し、「綾部もいきなりニューヨークへ行かないで、ゲームをやってれば英語を覚えられたのに」と会場の笑いを誘います。一方で、「整骨院を経営しているゲーム仲間がいるのですが、彼は『PUBG』を通して、ゲーマー特有の体の悩みを解消してあげたいという目標を持ったんです。ルーティンになっていた仕事に、新しい楽しみを見出したという人もいるんですよね」と、吉村さんと同年代でもeスポーツを通して新しい扉を開けるという事例を紹介しました。
ちょっと先の未来には生活者に近い商店街といった街中に浸透するだけでなく、来年東京タワーにオープンする日本最大級のeスポーツテーマパークにも、教育の拠点ができるのではないかと、ステージは大盛り上がりでした。
まとめ
最後に、登壇者がそれぞれ今後の展望とともに総括を行い、トークショーを終了しました。
UUUM 後藤氏
「我々の視点ですと『どのゲームが流行るのか』が気になるポイントで、トレンドにどう乗るかの感度を高めて行きたいです。また、次のゲームのトレンドを我々から発信して作っていくことを目指していきます」
東京eスポーツゲート 原氏
「僕たちはリアルの施設をベースにして、物事を考えていきます。eスポーツ文化だけでなく、様々なエンタメ文化を交え、アカデミーな部分も融合させて施設を作り上げていきたいです。2022年から、新しいものを作っていければと考えています」
NASEF JAPAN 内藤
「吉村さんのように好きなことを自分の軸に持っていろんな人生にチャレンジされたから、スポットライト当たっていると思っていて、私たちも、次世代の子供たちが『自分のこれは好きなんだ!』というのを見つけて将来に生かしてもらえる環境づくりを、新しいeスポーツを活用しながらやっていきたいなと思っています」
吉村氏
「コロナ禍において、未来について考えることがあまりなかったんですよね。『明日どうしようか、給料やばいな』といったことしか考えていなかったなかで、今日のお話で『こういう未来もあるんだ』と気持ちが楽になりました。我々の役目は、100年、200年と続いていく祭りの第1回目を作りませんかということだと思います。今日はありがとうございました。勉強になり、楽しかったです」
今後もNASEF JAPANでは精力的に発信を続け、eスポーツによる教育の可能性をお伝えしていきます。