群馬県とNASEF JAPANがタッグを組み、U19のプレイヤーを支援!
3月19日(土)開催「GUNMA × NASEF JAPAN プロ選手が教えるeスポーツ体験会」イベントレポート
〜教育にeスポーツを取り入れることで “欠席率”や“学力”にプラスの変化起こる、研究結果も発表〜
eスポーツを活用した教育や人材育成を支援する国際団体、北米教育eスポーツ連盟 日本本部(通称:NASEF JAPAN/ナセフ ジャパン、会長:松原昭博)は、この度、群馬県とU19eスポーツ選手権実行委員会が主催する『GUNMA × NASEF JAPAN プロ選手が教えるeスポーツ体験会』に、共催として参画いたしました。群馬県とは、昨年9月に実施したローカルカンファレンスイベント『湯けむりフォーラム2021』以降、2度目のタッグとなり、“eスポーツがもたらす、教育の可能性” をともに研究しています。
『GUNMA × NASEF JAPAN プロ選手が教えるeスポーツ体験会』とは?
本体験会は、若者の戦略的思考やチームワーク、コミュニケーション能力の向上を目的とし、3月19日(土)群馬県を代表するeスポーツ施設「GUNMA eSPORTS」にて開催。
当日は一般募集で集まった中高生15名と保護者も参加し、League of Legendsの基礎知識を学ぶ「講座」や、「Rascal Jester」所属のShakespeare選手とSirotama選手から直接学べる「eスポーツ体験」、 全日本eスポーツ実況王決定戦優勝者のsyouryuさんをMCに、プロ選手2名とNASEF JAPANの統括ディレクターを務める内藤裕志が「クロストーク」を行いました。
本レポートでは、 当日の様子をお届けいたします。
【開催概要】
イベント名称:GUNMA × NASEF JAPAN プロ選手が教えるeスポーツ体験会
開催日時:2022年3月19日(土)13:00〜16:30
主催:群馬県、U19eスポーツ選手権実行委員会
共催:北米教育eスポーツ連盟 日本本部
協力: Rascal Jester
イベント内容
第一部:LoL講座 / 講師:笹原 圭一郎 氏(クラーク記念国際高等学校 秋葉原ITキャンパス 教諭)
第二部:eスポーツ体験/ ゲスト:Shakespeare選手、Sirotama選手(Rascal Jester所属 プロプレイヤー)
第三部:クロストーク/ ゲスト:Shakespeare選手、Sirotama選手(Rascal Jester所属 プロプレイヤー)
内藤 裕志(NASEF JAPAN 統括ディレクター)
MC :syouryu氏(全日本eスポーツ実況王決定戦 初代実況王)
第一部<LoL講座>
第一部では、クラーク記念国際高等学校 秋葉原ITキャンパス 教諭 笹原先生が登壇し、League of Legends(以下、LoL)の基礎知識学ぶ講座を行いました。
本イベントは、LoLの初心者のみならず、ゲーミングPCを触ることがはじめての参加者もいたことから、笹原先生は一つ一つ丁寧に、ゲーム内におけるそれぞれのポジションや、それに応じて司令塔としての立場や、ゲームを決める攻撃中心な役割、チームを支えるポジションなどを説明。参加者らに、“自分はどのポジションが得意か、自分の性格はどれにあてはまりそうか”などを聞きながら、進行しました。
また、「仲間としっかりとコミュニケーションを取りながら、まずは楽しんでください。練習すれば誰もが出来る、奥深いゲーム。楽しみながら、仲間とともに挑戦していってください!」と、力強く背中を押しました。
第二部<eスポーツ体験>
第二部では、参加者5人一組でチームを組み「eスポーツ体験」を実施 。
LoLを筆頭としたタイトルで活動する、プロゲーミングチーム「Rascal Jester」に所属するShakespeare選手、Sirotama選手の2名から、キャラクターの操作方法やゲームの進め方、勝利を勝ち取る連携方法など、直接指導を受けながらプレイを進めました。
今回、LoLを初めてプレイした参加者も多く、PCの扱いやLoLのゲーム性の高さに苦しむ姿もありましたが、プロ選手やスタッフの指導を通じて、徐々にプレイを楽しめるようになり、会場にも段々と笑顔が増えていきました。
すると、その様子を見たShakespeare選手から、「私が初心者のときより、みんな上手い!」や、 Sirotama選手からは「教えたことがどんどんできて、吸収されて、びっくりしている。みんなすごい。カスタムマッチでは、味わえない緊張感や面白さを楽しみながら体験してほしい。」というコメントも。
その後もチームを組んでプレイする中で、参加者がそれぞれに声を掛け合い、称え、どんどんプレイが良くなり、互いに強くなっていく姿が印象的な、eスポーツ体験でした。
第三部<クロストーク>
三部のクロストークには、二部の「eスポーツ体験」で140分にもおける熱血指導を終えた、Shakespeare選手とSirotama選手が登壇し、スタート。お二人がeスポーツを始めたきっかけや、U19時代の軌跡を辿りながら、教育としての「eスポーツ」事例とその効果を、NASEF JAPANの統括ディレクター内藤裕志が紐解いていきました。
なかでもトーク中、英語スキルが高いSirotama選手は、「実は最初、英語がわからなかったんですけれど、このゲームを学ぶために勉強しましたね。」と、知られざる学びのきっかけを公開。すると内藤は、「Sirotama選手がおっしゃられていたように、ゲームっていうのを好きだから英語を学んだってのは、すごいですよね。英語使う人って70億人の人たちの25%は英語の人たちって言われているんですけれど、つまりその方々と共通言語で繋がれるってことなので、このきっかけが教育の観点じゃなくても、世界の人たちと繋がれるのは強みだなってあらためて思いました。」とコメントし、ゲームがきっかけで広がるコミュニケーションについて、言及しました。
続けて、 “ eスポーツを通じて、ここ自分強くなったな”というエピソードを問うと、 Shakespeare選手は「私の場合のLoLから学んだことは、一生懸命やったことって、自分のためになる。ということです。私の場合は運が良かったんですけれど、好きな人がきっかけでLoLでそのまま大会に出たいがために高校を変えたりして、優勝したらRJに入れたり、一生懸命やったことが運良く報われているという状況なんですけれど、一生懸命やろうと思ってなかったらこれらもなかったので。今自分のやりたいことがもしあったら、それを優先して取り組んだ方が自分にとって良い思い出にもなるしこれを一生懸命やってよかったな、っていう日が来ると思うので、好きなことに⼀⽣懸命取り組むことは良いことだと思います。それ がeスポーツじゃなくても他の分野でも好きなことは取り組むほうがいいと思います。最低限のことはしつつ、(それもある程度やったうえで)⼀⽣懸命好きな ことをやれたらいいですよね。 」と述べ、Sirotama選手も「そうですね。僕は、中学生・高校生と不登校だったんですが、ゲームを始めてから友達が増えて、より活動的になったっていうんですかね。こんなふうに人前に立った喋っているのも、昔の自分だったらできなかったし、想像できなかったです。ゲームを始めたことで良い方向にいっているというのはあるかもですね。」と、振り返りました。
お二人の話を受けて内藤は、「いいですね。実は我々NASEFでは、本国である北米の方で、学校にeスポーツを導入することで起こる生徒たちの変化を調査研究したんです。その結果がこちら、(スライドを投影しながら)生徒たちの姿勢が変わったんです。左のグラフを見るとeスポーツを始めた人は、“ここからは勉強、ここからはゲームをしよう”という自立心が芽生えたのと、Sirotamaさんもおっしゃられたんですが、eスポーツを始めて学校活動への関与が増えた・行き始めた、というのがあります。そうすると(右側のグラフを指しながら)学校を休む率が最初は1.68から、1.61と下がったんです。つまりeスポーツを取り入れた結果、自分の好きな仲間がいるんだ!という事で、欠席率が減ったんです。」と、解説。MCから「学校に行ったってことですか?!」と、声が上がりました。
引き続きNASEF JAPANでは、今月22日(火)より北米のNASEFも推進している「Social Emotional Learning(社会的感情学習)」を採用した、大会を通じて人材育成も図るプログラム「Beyond the Game Program」を、高校生を対象に無料開講いたします。困難に立ち向かうための心構えや仲間を尊重しチーム力を高める「スポーツマンシップレッスン」と、上位レベルで戦うための戦略やテクニックを学べる「スキルアップレッスン」といった、2種類のレッスンから構成されています。また、プログラムは大会前だけでなく、大会後にも実施。学びを実践できたか振り返り、より学習の理解度を高める取り組みを行いますので、ご参加お待ちしております。
(申込サイト: https://nasef.jp/japan-major/)
<主催者コメント>
群馬県 産業経済部戦略セールス局
eスポーツ・新コンテンツ創出課 課長 齊藤義之 氏
「県内で様々な形でeスポーツの推進に力を入れています。 昨年からNASEF JAPANとは、教育的eスポーツの観点から連携を進めています。大会を開催するだけでなく、「まずゲームに触れてもらう」機会を提供することで、若い人たちにeスポーツを通じた成長の機会とICTの学びの場を提供していきたいと考えています。今回の体験会をキックオフとして、今後もこのようなイベントを開催し、更に多くの方々にeスポーツを体験したり、学びのプラットフォームを築いてまいります。」
<NASEF JAPANコメント>
NASEF JAPAN 統括ディレクター 内藤 裕志
「群馬県とは山本一太知事とのフォーラムをはじめ、様々な取り組みを進めております。今回はプロプレイヤーと共に体験会を開催し、中高生が実際にeスポーツに触れるだけでなく、保護者に「教育としての可能性」や実際に「生徒たちの取り組む姿勢」を直接お伝えできたのは、教育的eスポーツの裾野を広げる上で非常に大きな意味を持つと思います。」