eスポーツ業界へのキャリアパス 自分のスイートスポットを見つけよう
eスポーツ業界はまだ歴史が浅いため、キャリアパス※の見つけ方も明確ではありません。
※目標とする職務に就くために道筋。主に必要な経験やスキルなどを指す。
その点でアメリカでは、すでにeスポーツ業界に特化した求人サイトが存在しており、日本よりもeスポーツ業界への就職が身近になっています。
今回は、アメリカのeスポーツ業界最大の求人サイト「Hitmarker」へのインタビューから、eスポーツ業界でキャリアパスを見つけるためのポイントを紹介します。
スイートスポットを見つけよう
eスポーツ業界へのキャリアパスを構築するには、上の図の中心にある「スイートスポット」を見つけることが大切です。
ただ、現時点でスイートスポットがなくても、全く悪いことではありません。今からそれを見つけ、磨いていけばいいのです。
ここからは、「スイートスポット」を見つけるために必要な3つのポイントを解説していきます。
一人でもできることですが、ときには家族や友人、先生などにも助言を求めてみてください。客観的な意見は、思いがけない発見につながります。
STEP1 得意なことを洗い出す
まずは、自分のスキルや強みと思われるものを書き出してみましょう。すぐに思いつかない場合は、以下の3つから洗い出してみてください。
1.一番得意な科目
2.得意な活動やスポーツ
3.所属する部活動やコミュニティで、自分が貢献していると感じること
書き出したものは、「ハードスキル」と「ソフトスキル」に分けられるはずです。
ハードスキルとは、知識や訓練から得られる、評価基準が明確なスキルを指します。語学力やデータの分析力、デザイン力などが挙げられます。
一方でソフトスキルとは、測定するのが難しい個人的な特性(性格など)を指します。創造性や適応力、チームワーク、リーダーシップなどが挙げられます。
自身のハードスキルとソフトスキルを把握しておけば、就職活動の際にも自分の強みを伝えやすくなります。
STEP2「得意」と「好き」を組み合わせる
次に、自分が一番好きなことを考えてみてください。ここでは、できる限り「ゲーム」以外について考えてみましょう。
eスポーツ業界は「ゲーマー」であることに頼りすぎている人が多いのが現状です。「ゲーマー」であることは重要な要素ではありますが、eスポーツのビジネスサイドで働きたいのであれば、仕事上の楽しみを見いだすことが大切です。
では、学校生活や校外活動などから、自分の「好き」について考えてみましょう。
あなたは、どの授業や活動を楽しいと感じるでしょうか。思いついたら、なぜ楽しいのか、どこに情熱を向けられるかを書き出してください。
「人前で何かを発表することが楽しい」「レポートを上手く作成できたときにやりがいを感じる」「グループワークではいつもリーダーを務めている」……それぞれに魅力や得意なことがあるはずです。
また、部活動や校外のコミュニティなどに参加しているのであれば、なぜその活動に時間を割いているのかも考えてみましょう。
次のプロセスでは、ここで書き出したことをeスポーツ業界での仕事に照らし合わせていきます。自分の「好き」と「得意」を組み合わせて、どんな仕事に活かせるのか確認するのです。それがあなただけの「スイートスポット」に繋がっていきます。
STEP3 eスポーツ業界での仕事を知る
一口にeスポーツ業界といっても、様々な職種があります。マーケティングやソフトウェアエンジニア、ビジネス開発、販売、グラフィックデザインなど、関わり方はそれぞれ異なります。
自分の「好き」や「得意」と重なる仕事(分野)を特定することが出発点となり、キャリアパスへ繋がっていくわけです。
まずは、「おもしろそう」と感じる求人をいくつか見つけて、仕事内容と応募要項を確認してみましょう。複数の求人から共通するポイントが出てきたら、それが今後学びを深めていくべきスキル・経験となります。
すでに「得意」「好き」のリストと求人内容に重なる部分があれば、それをどんどん伸ばしていきましょう。欠けている部分があれば、家族や友人、先生などにサポートを求めて、これから身につけていきましょう。
ここで洗い出されたスキルや経験は、今後の進路を明確にしてくれます。「どのような大学や専門学校へ進めばいいのか」「どんな企業でインターンシップやアルバイトを行えばよいのか」といった、具体的なeスポーツ業界へのキャリアパスを提示してくれるのです。
最後に
高校生のうちから将来について考えるのは大変なことです。しかし、まずは漠然とした展望であっても、eスポーツ業界でどのような道を歩んでいきたいか考えてみてください。そこから、先々の計画が明確になっていきます。
また、「好き」や「得意」は、時間の経過とともに変化していくものなので、数ヶ月ごとに見直すことも大切です。計画や目標を日々更新していくことで、より明確なキャリアパスが得られるはずです。