COLUMN

2021.10.01

コロナ禍でのeスポーツは学生の出会いの場へ  
学生たちの交流機会の創出するeスポーツの役割 

新型コロナウイルスの感染拡大により、学生たちは社会的な交流の機会を失っています。しかしそのなかでもeスポーツにうち込む学生たちはオンライン環境に適応しており、新しい仲間との出会いを得ています。

 

一方で、スキルアップのモチベーション維持を助けるうえで、取り組むべき課題も残ります。今回はNASEFのグレッグコーチが本国のアメリカで展開しているコラムから、改めてコロナ禍におけるeスポーツの役割を振り返ります。

 

eスポーツはパンデミックの影響が比較的少ない

アメリカには世界最大規模のプロスポーツリーグであるMLBやNBAがありますが、パンデミックが発生して間もなくは、シーズン開始のためには新たな安全対策を講じる必要があり、開幕は延期されました。MLBがシーズン延期を発表したのは3月16日で、60試合(通常は162試合)制のシーズンを開始できたのは7月23日でした。

 

多くのことが不確かな状態でしたが、NASEFのグレッグコーチはこの時、「eスポーツは影響が比較的少ない」と確信を持ちました。なぜならば、スポーツやイベントが大きな影響を受ける一方で、アメリカでもゲームやeスポーツが大きなブームになったからです。

 

ゲームは世界中の友人と連絡を取り合ったり、『AmongUs』※1のようなソーシャルゲームで新しい人たちにゲームを紹介したり、ステイホームの状況下でも私の生活を正常に保つ大きな力となっています。

※1:チームの中に潜む裏切り者を推理し、追放を目指す。”人狼系”といわれる人気ゲーム

 

また、eスポーツのプロリーグもコロナ禍の安全規制にいち早く対応し、4月、5月頃には「Rocket League Championship Series」や「LoL Championship Series」などのeスポーツリーグが実施されています。

 

ただ、eスポーツリーグがパンデミックの影響を受けなかったというわけではありません。例えば「Rocket League Championship Series」は世界大会を中止し、地域大会の勝者をシーズン9のチャンピオンとすることを余儀なくされました。

オンラインでの交流に慣れていた学生たち

アメリカ国内では、学業のための陸上競技やスポーツプログラムが、コロナ関連の制限に直面しています。

 

それらと比べてeスポーツは、家にいながらにして練習環境を整えられます。オンラインでゲームをプレイすることは、何年も前から当たり前のことになっているのです。

 

グレッグが指導しているチームは「Discord」を使って練習することが多く、チームでの練習もコロナ禍の規制の影響を受けにくい体制となっています。

 

また、新しい学校生活に適応する上でも、eスポーツのクラブやチームが良い影響を与えています。

 

グレッグが指導している学生たちのなかには、練習やクラブミーティングがチームメイトとの唯一の交流の場になっているケースもあります。学校での授業が再開されるまで、顔を合わせる機会がなかった学生もいます。

 

オンラインで授業を行っている学校では、休み時間やランチのような交流の時間を再現するのは難しいでしょう。その点でeスポーツは、オンラインで社会的環境を再現するための最良の方法のひとつになっているのです。

 

eスポーツによって学生たちはリラックスした環境で楽しみながら会話ができ、新入生(1年生)にとっては、新しい友達を作るために必要不可欠なツールとなっています。学生たちがオンラインで交流し、eスポーツを通じて新しい出会いを得ているのは特筆すべき成果といえるのではないでしょうか。

 

グレッグは「このような状況下で高校生と一緒に活動できたことは、とても素晴らしい経験だった」と言います。

 

コロナ禍におけるeスポーツはモチベーション維持につながる

ゲームは、遠くに住む友人と楽しみながら連絡を取るための手段となっています。その一方でグレッグは「ステイホームの状況下では、パンデミック前と比べて上達へのモチベーションが低下している」と懸念しています。多くの人にとって、ステイホームのなかでモチベーションを維持するのは難しいことです。

 

スポーツや課外活動は多くの意味で学生のモチベーションを維持するのに役立ち、社会的な交流を得る機会となっています。

 

NASEFでも大会を実施することは学生たちのモチベーションを維持につながり、楽しみながらゲームの上達に集中できると考えています。

 

eスポーツはコロナ禍の学校生活にとって、貴重なリソースになるのではないでしょうか。

グレッグコーチについて

カリフォルニア州サンタモニカ育ち。2016年にミシガン大学卒業、環境科学のBSを取得。卒業後は様々な立場で教育に携わり、現在はゲームと教育を組み合わせることに情熱を注いでいる。